相続税・贈与税が「いくらか」概算でわかる

最終更新: (国税庁の令和7年4月1日現在法令等・国税通則法にもとづく)

準確定申告とは?——亡くなった方の所得税を相続人が申告する手続き(義務者・4か月の期限・所得控除)

準確定申告とは、年の途中で亡くなった方について、その年の1月1日から死亡した日までの所得を計算し、相続人(包括受遺者を含む)が代わりに所得税の申告・納税をする手続きです。期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内(国税庁No.2022)。これは所得税の手続きで、相続税(10か月以内)とは別に進みます。「亡くなった親に確定申告が必要だったのか」「何を・いつまでに出すのか」と迷っている方に向けて、まず全体像を一次情報にもとづいて整理します。

結論——「1月1日から死亡日まで」の所得を、相続人等が4か月以内に申告

ふだんの確定申告は、その年の1月1日から12月31日までの所得を、翌年に本人が申告します。しかし年の途中で亡くなった方の場合は、その年の1月1日から死亡した日までに確定した所得金額と税額を、相続人(包括受遺者を含みます。あわせて「相続人等」といいます)が計算し、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をします。これを準確定申告といいます(国税庁No.2022)。全員に必要な手続きではありませんが、亡くなった方に一定の所得があった場合などに必要になります。

出典: 国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」(令和7年4月1日現在法令等)。取得日2026-07-24。本ページは制度の一般的な情報の解説で、個別の申告の要否や税額の判断はお示しできません。

誰がするの?——義務者は相続人・包括受遺者、納税義務も承継する

準確定申告をする義務があるのは、亡くなった方の相続人(包括受遺者を含む=「相続人等」)です(国税庁No.2022)。あわせて、相続人は亡くなった方の所得税などの国税を納める義務も承継します(国税通則法第5条)。限定承認をした相続人は、相続によって得た財産の限度でのみ納める責任を負います。相続人が2人以上いるときは、承継する国税の額を法定相続分(民法900条〜902条)で按分して計算します。

相続人等が2人以上いる場合の提出方法(No.2022)ポイント
原則:全員が連署して1通を提出各相続人等が連署により準確定申告書を提出します。
例外:各人が別々に提出他の相続人等の氏名を付記して各人が別々に提出することもできます。この場合、提出した相続人等は申告した内容を他の相続人等へ通知する必要があります。

出典: 国税庁「No.2022」/ e-Gov法令検索「国税通則法」第5条(相続による国税の納付義務の承継)。取得日2026-07-24。相続放棄・限定承認をした場合の扱いは相続放棄とはもあわせてご覧ください。

いつまで?——「知った日の翌日から4か月以内」(相続税10か月とは別)

準確定申告の申告・納税の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です(国税庁No.2022)。ここで間違えやすいのが、相続税の申告期限(死亡を知った日の翌日から10か月以内)とは別の期限だという点です。準確定申告は所得税の手続きで、相続税より先に期限が来ます。期限の詳しい数え方や、年末に近い時期に亡くなった場合の特別な扱いは、準確定申告の期限(4か月ルール)で解説しています。

出典: 国税庁「No.2022」(令和7年4月1日現在法令等)。取得日2026-07-24。相続税の10か月の期限は相続税の申告期限(10か月ルール)で解説しています。

どこに出す?——被相続人の死亡当時の納税地の税務署

準確定申告書の提出先は、被相続人(亡くなった方)の死亡当時の納税地を所轄する税務署長です(国税庁No.2022)。相続人の住所地の税務署ではない点に注意しましょう。申告書には、各相続人等の氏名・住所・被相続人との続柄などを記入した準確定申告書の付表を添付します。提出方法は書面のほか、令和2年分以降の準確定申告についてはe-Tax(電子申告)にも対応しています(国税庁のホームページの確定申告書等作成コーナーでは準確定申告書は作成できないため、e-Taxソフト等を利用します)。

出典: 国税庁「No.2022」/ 国税庁「準確定申告のe-Tax対応」。取得日2026-07-24。

どんな人が申告するの?——要否は通常の確定申告ルールを準用

準確定申告が必要になるのは、亡くなった方が生前に確定申告をする必要がある所得の状況だった場合です。準確定申告は「その年の1月1日から死亡日までの所得を通常どおり計算する」しくみなので、必要かどうかは通常の確定申告の要否ルール(国税庁No.1900など)を準用して考えるのが基本です。たとえば給与を1か所から受けて年末調整で所得税が完了しているような場合は、原則として不要となることが多い一方、個人事業を営んでいた・給与以外に大きな所得があった、といった場合には必要になります。ただし、亡くなった年は年末調整が完了していないなど、準確定申告ならではの事情で結論が変わることがあります。個別の申告の要否は税務署または税理士にご確認ください。どのようなケースで不要・必要になるかは準確定申告が不要なケース・必要なケースで整理しています。

出典: 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」/「No.2022」。取得日2026-07-24。準確定申告に固有の「不要」の一覧は国税庁の資料に明文としては示されていないため、通常の確定申告の要否ルールの準用として説明しています。

使える所得控除——「死亡の日までに支払った分」が対象

準確定申告では、所得控除の考え方が通常の確定申告と少し異なります。医療費控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除・地震保険料控除・寄附金控除の対象になるのは、死亡の日までに亡くなった方が支払った(支出した)分です。死亡後に相続人が支払った分は、亡くなった方の準確定申告では控除の対象に含められません(国税庁No.2022)。

控除の種類準確定申告での対象(No.2022)
医療費・社会保険料・生命保険料・地震保険料・寄附金 など死亡の日までに被相続人が支払った(支出した)分のみ。死亡後の支払分は対象外。
配偶者控除・扶養控除 など適用の有無は死亡の日の現況で判定。控除額の月割計算は行わない(満額)。

なお、死亡後に相続人が支払った医療費でも、治療などを受けた時に亡くなった方と生計を一にしていた相続人がいれば、その相続人自身の(通常の)確定申告で医療費控除の対象にできる場合があります。準確定申告で予定納税や源泉徴収が年税額を上回っていた場合などには、還付を受けられることもあります。

出典: 国税庁「No.2022」/ 国税庁 質疑応答事例「死亡した人の医療費と医療費控除」(令和7年8月1日現在の法令等)。取得日2026-07-24。「特定親族特別控除」は令和7年12月1日に施行され令和7年分以後に適用されるもので、その月割計算も行いません。個別の控除の適用可否は税務署・税理士にご確認ください。

添付書類——準確定申告書の付表(公式様式へのリンク)

準確定申告書には、死亡した者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)を添付します。付表には各相続人等の氏名・住所・被相続人との続柄などを記入します。また、相続人や包括受遺者が受け取るべき還付金の受領を相続人の代表者等に委任する場合には、付表とは別に委任状(準確定申告書用)の提出が必要です。様式は国税庁の公式ページからダウンロードできます。本サイトでは書き方の個別の指導や様式の作成は行っていません。下記の公式様式をご利用ください。

公式様式(国税庁): 確定申告書付表(f01.pdf) / 委任状(準確定申告書用・f01-3.pdf)。出典: 国税庁「No.2022」。取得日2026-07-24。

このクラスタの読み方——テーマ別の記事へ

準確定申告の個別のテーマは、次の記事で詳しく解説しています。まず全体像をつかんでから、必要なページへ進んでください。

なお、相続人がいない(民法上の相続人も包括受遺者もいない)など特殊なケースは扱いが異なります。そうした場合は税務署・専門家へご確認ください。

🧮 相続税がかかりそうかどうかの目安は、まず相続税計算シミュレーターで概算を確認 → 相続税計算ナビのトップへ

よくある質問(FAQ)

準確定申告とは何ですか?
準確定申告とは、年の途中で亡くなった方について、その年の1月1日から死亡した日までに確定した所得金額と税額を計算し、相続人(包括受遺者を含む)が代わりに所得税の申告・納税をする手続きです。期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です(国税庁No.2022)。通常の確定申告が翌年に本人が行うのに対し、準確定申告は亡くなった方の分を相続人等が行う点が異なります。
準確定申告は誰がするのですか?
申告する義務があるのは、亡くなった方の相続人(包括受遺者を含み、あわせて「相続人等」といいます)です(国税庁No.2022)。相続人は、亡くなった方の所得税などの国税を納める義務も承継します(国税通則法第5条)。相続人等が2人以上いる場合は、原則として全員が連署して1通の準確定申告書を提出します。ただし、他の相続人等の氏名を付記して各人が別々に提出することもでき、その場合は申告した内容を他の相続人等へ通知する必要があります。
準確定申告の期限はいつまでですか?
相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です(国税庁No.2022)。これは所得税の手続きの期限で、相続税の申告期限(10か月以内)とは別に進みます。期限が休日にあたる場合の扱いなど、詳しい数え方は準確定申告の期限の記事で解説しています。
どんな人が準確定申告をするのですか?
亡くなった方が生前に確定申告をする必要がある所得の状況だった場合に、相続人等が代わりに準確定申告を行います。要否は、通常の確定申告の要否ルール(国税庁No.1900など)を準用して考えるのが基本です。給与を1か所から受けて年末調整で所得税が完了しているような場合は原則として不要となることが多い一方、亡くなった年は年末調整が完了していないなど個別の事情で結論が変わることがあります。個別の申告の要否は税務署または税理士にご確認ください。
準確定申告ではどの所得控除が使えますか?
医療費控除・社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除・寄附金控除などは、死亡の日までに亡くなった方が支払った(支出した)分が対象です。死亡後に相続人が支払った分は、亡くなった方の準確定申告では控除できません(国税庁No.2022)。配偶者控除や扶養控除などの適用の有無は死亡の日の現況で判定し、控除額の月割計算は行いません。個別の適用可否は税務署・税理士にご確認ください。

一次情報(出典)

出典(取得日 2026年7月24日):

準確定申告は、死亡後の相続手続き全体の中では「知った日の翌日から4か月以内」に位置づけられます。手続き全体の流れと期限は相続手続きの順番(死亡後にやること・期限一覧)で確認できます。相続税がかかりそうかどうかの目安は、まず相続税計算シミュレーターで確認できます(税額の目安は概算です)。誰に相談すればよいか迷うときは相続は誰に相談すればいい?もあわせてどうぞ。

本ページは、国税庁のタックスアンサー(令和7年4月1日現在法令等)・質疑応答事例(令和7年8月1日現在の法令等)・国税通則法などの公表資料にもとづく、準確定申告に関する一般的な情報の解説です。申告の要否・税額・還付・所得控除の適用は、亡くなった方や相続人の状況によって異なります。本サイトは一般的な制度の解説であり、個別の税務相談・税務代理・申告書や付表の作成には対応していません。個別の申告の要否・税額・還付の有無は、税務署または税理士にご確認ください。
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