相続税・贈与税が「いくらか」概算でわかる

最終更新: (法務省・法令の一次情報にもとづく)

相続の戸籍収集——出生から死亡までの戸籍謄本を集める手順・費用・広域交付のやり方

相続の手続きを始めると、まず立ちはだかるのが戸籍集めです。相続登記や預貯金の相続、相続税の申告のどれにも、亡くなった方の「出生から死亡まで」の連続した戸籍が必要になります。本籍地を何度か移していると、集める戸籍が複数の役所に分かれていて、「どこから手をつければいいのか分からない」と感じる方は少なくありません。この記事では、誰の戸籍を・どこまで・どうやって集めるのかを、2024年3月に始まった広域交付制度もふまえて、法務省と法令の一次情報にもとづき順に整理します。

まず結論——集めるのは「被相続人の出生から死亡までの全戸籍」と「相続人全員の現在の戸籍」

相続手続きで必要な戸籍は、大きく次の2種類です。①亡くなった方(被相続人)の、出生から死亡までの連続したすべての戸籍と、②相続人全員の、現在の戸籍です。①は相続人が誰かを確定するため、②はその相続人が今も生きていることを示すために使います。①は1通ではなく、結婚・転籍・法律改正などで作り直された複数の戸籍(現在の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本)をつなげて集めるのがポイントです。

誰の戸籍集める範囲目的
被相続人(亡くなった方)出生から死亡までの連続したすべての戸籍相続人を確定する(隠れた相続人がいないか確認)
相続人全員現在の戸籍(1通ずつ)相続人が現在も生存していることを示す

必要な戸籍の範囲は手続きやケースにより異なります(相続放棄では被相続人と申述人の関係が分かる戸籍のみで足りる場合など)。上表は相続登記・預貯金の相続・相続税申告で共通して求められる一般的な範囲の目安です。取得日2026-07-23。

なぜ「出生から死亡まで」の連続した戸籍が必要なのか

相続の手続きでは、法律上の相続人が誰かを客観的な書類で確定する必要があります。その根拠になるのが、亡くなった方の出生時までさかのぼった連続した戸籍です。死亡時点の戸籍だけを見ても、その方の過去は分かりません。出生までたどることで、前の結婚での子・認知した子・養子など、遺族が把握していない相続人がいないかを確認できます。途中の戸籍が1つでも抜けていると相続人を確定できず、法務局や金融機関、税務署の手続きで受け付けてもらえないことがあります。だからこそ、面倒でも「つながった一続き」でそろえることが求められます。

誰が相続人になり、どのくらいの割合になるかは法定相続分とは(相続人の範囲と割合)で解説しています。取得日2026-07-23。

集める戸籍の3つの種類(戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本)

「出生から死亡まで」をつなぐと、多くの場合、次の3種類の戸籍が登場します。名前は違いますが、いずれも過去の身分関係を証明する連続した記録です。

種類どんな戸籍か
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)現在使われている戸籍。今の家族関係を示す
除籍謄本結婚・死亡・転籍などで、その戸籍に誰もいなくなった(閉じられた)戸籍
改製原戸籍謄本法律の改正で戸籍が作り直される前の、古い様式の戸籍

「謄本」は戸籍に載っている全員を写したもの、「抄本」は特定の一人だけを写したものです。相続では家族関係の全体を示す必要があるため、原則として抄本ではなく謄本(全部事項証明書)を集めます。「謄本と抄本のどちらを取ればいいか」で迷ったら、相続では謄本、と覚えておくと安心です。

出典: 法務省「戸籍」(戸籍・除籍・改製原戸籍の説明)。取得日2026-07-23。

【2024年3月〜】広域交付制度——本籍地以外の窓口で、まとめて請求できる

これまで戸籍は本籍地の役所ごとに取り寄せる必要があり、本籍が各地を転々としていると収集に手間がかかりました。2024年(令和6年)3月1日に施行された改正戸籍法により、広域交付制度が始まりました。これにより、本籍地が遠くにあっても、お住まいや勤務先の最寄りの市区町村の窓口で戸籍証明書・除籍証明書を請求できるようになり、ほしい戸籍の本籍地が全国各地にあっても、1か所の窓口でまとめて請求できるようになりました。相続の戸籍集めが大きく楽になった制度です。ただし、次の点に注意が必要です。

出典: 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」(広域交付・請求できる人・郵送/代理不可・本人確認・対象外の戸籍)。取得日2026-07-23。

広域交付が使えないときは「郵送請求」

兄弟姉妹が相続人になるケースや、コンピュータ化されていない古い戸籍が必要なケースなど、広域交付が使えない場面もあります。その場合は、従来どおり本籍地の市区町村へ郵送で請求します。一般的な流れは、①各自治体のホームページから戸籍の郵送請求用の申請書を入手して記入、②本人確認書類の写しと、③手数料分の定額小為替(ゆうちょ銀行・郵便局で購入)、④返信用封筒(切手を貼ったもの)を同封して送付、というものです。「出生から死亡まで一式が必要です」と申請書の使いみち欄に書いておくと、その役所にある該当分をまとめて出してもらえることが多く、集め漏れを防げます。

郵送請求の必要書類・申請書の様式・手数料の支払方法は自治体により異なります。請求先の市区町村の案内を必ずご確認ください。取得日2026-07-23。

戸籍収集の費用の目安

戸籍の交付手数料には、法令で定められた標準額があります。戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)は1通450円除籍謄本・改製原戸籍謄本は1通750円が標準です(地方公共団体の手数料の標準に関する政令)。相続では、被相続人の出生から死亡までが複数の戸籍に分かれていることが多く、相続人全員の現在の戸籍も加えると、合計で数千円程度になることがあります。郵送請求では、これに定額小為替の発行手数料や返信用の切手代が加わります。

証明書手数料の標準額(1通)
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)450円
除籍謄本・改製原戸籍謄本750円

上記は概算・目安です。手数料は各自治体の条例により標準額と異なる場合があります。正確な金額と支払方法は請求先の窓口でご確認ください。出典: e-Gov法令検索「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」。取得日2026-07-23。

戸籍謄本に「有効期限」はある?

戸籍謄本そのものに、法律上の有効期限はありません。記載されている身分関係が変わらなければ、発行から時間がたっていても使えます。一方で、提出先が独自に期限を設けていることがあります。たとえば相続登記の法務局や、預貯金の相続手続きをする金融機関が「発行後◯か月以内のもの」を求める運用をしている場合があります。提出先によって扱いが異なるため、実際に提出する直前に、各窓口へ「いつ発行のものまで有効か」を確認しておくと、取り直しの手間を防げます。

有効期限の扱いは提出先の運用によります。上記は一般的な傾向の説明であり、個別の可否は提出先へご確認ください。取得日2026-07-23。

🗂️ 相続人のパターンを選ぶだけで「集める戸籍」がわかる → 相続に必要な戸籍チェック

集めた戸籍は、次のどの手続きにも使う

戸籍集めは大変ですが、そろえた戸籍は相続手続きの共通のパスポートになります。相続登記(不動産の名義変更)、預貯金の相続手続き、相続税の申告のいずれでも、被相続人の出生から死亡までの戸籍と相続人の戸籍が土台になります。集めた戸籍をもとに法定相続情報一覧図を作っておくと、各手続きで戸籍の束を何度も出さずに1枚の写しで済ませられ、収集した戸籍を有効に使えます(必要書類は法定相続情報一覧図の必要書類で確認できます)。同じ戸籍を何度も取り直さずに済むよう、原本は大切に保管し、提出先ごとにコピーの要否を確認しましょう。手続き全体の順番と期限は相続手続きの順番(死亡後にやること・期限一覧)で整理しています。

一次情報(出典)

出典(取得日 2026年7月23日):

よくある質問

相続の手続きで、なぜ「出生から死亡まで」の戸籍が必要なのですか?
相続人が誰かを法律にもとづいて確定するためです。亡くなった方の戸籍を出生時までさかのぼって連続してそろえることで、前の結婚での子や認知した子など、家族が把握していない相続人がいないかを確認できます。途中の戸籍が1つでも抜けていると相続人の確定ができず、相続登記や預貯金の相続手続き、相続税の申告でも受け付けてもらえないことがあります。
戸籍は本籍地以外の役所でも取れますか?
2024年(令和6年)3月1日から始まった広域交付制度により、本籍地が遠くにあっても、お住まいや勤務先の最寄りの市区町村の窓口で戸籍証明書・除籍証明書を請求できるようになりました。ほしい戸籍の本籍地が全国各地にあっても、1か所の窓口でまとめて請求できます。ただし請求できるのは本人・配偶者・父母などの直系尊属・子や孫などの直系卑属に限られ、郵送や代理人による請求はできず、窓口では顔写真付きの本人確認書類が必要です。コンピュータ化されていない一部の古い戸籍は広域交付の対象外です。
相続で戸籍を集めるといくらくらいかかりますか?
手数料の標準額は、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)が1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本が1通750円です(地方公共団体の手数料の標準に関する政令)。出生から死亡までの戸籍は複数の戸籍に分かれていることが多く、相続人の分もあわせると合計で数千円程度になることがあります。金額は自治体の条例により異なる場合があるため、正確な額は各窓口でご確認ください。
集めた戸籍謄本に有効期限はありますか?
戸籍謄本そのものに法律上の有効期限はなく、記載内容が変わらなければ古いものでも使えます。ただし、相続登記の法務局や金融機関などの提出先が「発行後◯か月以内のもの」といった条件を独自に設けている場合があります。提出先ごとに扱いが異なるため、実際に提出する前に各窓口へ確認しておくと安心です。

戸籍がそろって相続人が確定したら、次は取り分の確認です。相続税計算シミュレーターで相続税がかかりそうかを、法定相続分とはで各自の割合を確認できます。集めた戸籍は相続登記の必要書類預貯金の相続手続きでもそのまま使います。

本ページは、法務省・e-Gov法令検索などの公表資料にもとづく、相続手続きにおける戸籍収集の一般的な説明です。必要な戸籍の範囲・手数料・請求方法は、手続きの種類やケース、自治体によって異なります。戸籍の収集はご本人で行えますが、報酬を得て第三者の依頼で戸籍を取得したり、相続関係を証明する書類の作成を代行したりすることは、司法書士・行政書士・弁護士などの業務にあたります。本サイトは一般的な制度の解説と概算計算であり、個別の代理・書類作成には対応していません。具体的な手続きは、各市区町村の窓口・法務局や、司法書士・行政書士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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