最終更新: (国税庁の令和7年4月1日現在法令等に基づく)
子がいない(配偶者と親)の相続税 早見表【2026年版】
子がいない夫婦で配偶者と親が相続する場合、配偶者は2分の1超を取得でき負担は軽めです。遺産1億円・配偶者と親2人なら約222.2万円が目安です。 子がいない夫婦では、父母(直系尊属)が第2順位で相続人になります。配偶者と親が相続する場合と、親だけが相続する場合の相続税の目安を、遺産総額別に一覧にしました。親には2割加算はありません。
遺産総額別・相続税の目安(納付額の合計)
| 遺産総額 | 配偶者あり(+親) | 親のみ(配偶者なし) | ||
|---|---|---|---|---|
| 親1人 | 親2人 | 親1人 | 親2人 | |
| 4,000万円 | 0円(かからない) | 0円(かからない) | 400,000円 | 0円(かからない) |
| 5,000万円 | 266,633円 | 66,633円 | 1,600,000円 | 800,000円 |
| 6,000万円 | 633,333円 | 400,000円 | 3,100,000円 | 1,800,000円 |
| 7,000万円 | 1,077,733円 | 811,033円 | 4,800,000円 | 3,200,000円 |
| 8,000万円 | 1,566,616円 | 1,255,516円 | 6,800,000円 | 4,700,000円 |
| 10,000万円 | 2,711,050円 | 2,222,133円 | 12,200,000円 | 7,700,000円 |
| 15,000万円 | 6,600,000円 | 5,833,333円 | 28,600,000円 | 18,400,000円 |
| 20,000万円 | 11,311,000円 | 10,044,366円 | 48,600,000円 | 33,400,000円 |
| 25,000万円 | 17,422,100円 | 15,444,266円 | 69,300,000円 | 49,200,000円 |
| 30,000万円 | 23,533,333円 | 21,000,000円 | 91,800,000円 | 69,200,000円 |
| 50,000万円 | 51,577,633円 | 46,622,100円 | 190,000,000円 | 152,100,000円 |
「配偶者あり」は配偶者が法定相続分(3分の2)を取得し税額軽減を適用した目安。「親のみ」は配偶者がいない場合の相続税の総額。金額は当サイトの検証済み計算エンジンで算出しています。
基礎控除・非課税枠と一次情報(国税庁)
- 基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。遺産の総額(正味の財産)がこの金額以下なら相続税はかからず、申告も原則不要です(国税庁 No.4152)。
- 相続税の総額は、基礎控除を超えた課税遺産総額を法定相続分で分け、各取得金額に速算表(10%〜55%)を当てはめて合計します(国税庁 No.4155)。
- 配偶者の税額軽減により、配偶者が取得した遺産のうち1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額までは相続税がかかりません(国税庁 No.4158)。この表の「配偶者あり」は配偶者が法定相続分を取得した前提の目安です。
- 死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります(国税庁 No.4114)。
出典(取得日 2026年7月22日 / 令和7年4月1日現在法令等):
この構成に固有の点——配偶者の法定相続分が「3分の2」になる
- 子がいる相続では配偶者の法定相続分は2分の1ですが、親(直系尊属)と並ぶ場合は3分の2へ広がります。配偶者の税額軽減は法定相続分相当額まで働くため、軽減でカバーされる範囲もそのぶん広くなり、「配偶者あり」の列の金額が全体に低めなのはこの構造によります。
- 表に266,633円のような細かい端数が並ぶのも、この構成ならではです。3分の2と3分の1という割り切れない割合で仮の取得金額を出して計算するため、キリのよい金額になりません。端数の細部は計算過程の丸め方に依存するので、万円単位の目安として読むのが実態に合っています。
- いっぽう「親のみ」の列を、同じ遺産総額の子のみの早見表と見比べると、人数が同じなら金額は一致します。配偶者がいない相続では、相続人が子でも親でも、基礎控除と均等の分割を前提にした計算は同じ形になるためです(親には2割加算もありません)。
よくある誤解——この表の「親」に配偶者側の父母は含まれない
- 相続人になる「親」は、亡くなった本人(被相続人)の父母などの直系尊属です。配偶者側の父母は、長く同居していても相続人にはなりません。
- 父母がすでに亡くなっていて祖父母が健在という場合は、祖父母が直系尊属として相続人になります。この表の「親1人」「親2人」は、そのまま直系尊属の人数として読み替えられます。
- 直系尊属もいない場合は、兄弟姉妹が第3順位で相続人になります。その場合は税額の2割加算が関係してくるため、この表ではなく兄弟姉妹が相続人の早見表が対応します。
欄のなりたち——遺産6,000万円・配偶者と親2人のとき
この構成の計算がどう進むか、表の400,000円の欄を例に、この条件のときの流れを追ってみます。
- 法定相続人は配偶者と親2人の3人で、基礎控除4,800万円を差し引いた課税遺産総額は1,200万円です。
- これを配偶者3分の2・親それぞれ6分の1で取得したものと仮定して速算表を当てはめると、配偶者に80万円、親に20万円ずつで、相続税の総額は120万円になります。
- 配偶者の法定相続分3分の2に対応する80万円が税額軽減で消え、親2人に対応する残りの40万円が表の金額です。
本計算例は一般的な概算の手順を示すものであり、特定の方の個別事情に対する回答ではありません。
どこまで課税されないか——この構成の境目
- 「配偶者あり」の側は、親が1人でも法定相続人が2人になるため基礎控除は4,200万円からはじまります。遺産総額4,000万円の行がどちらの欄も0円なのはこのためです。
- 「親のみ」の側で4,000万円の行に唯一400,000円が入っているのは、親1人だけが相続人だと基礎控除が3,600万円まで下がり、そこを超えた分に課税されるためです。
- 高齢の親が相続人になる構成では、その親の相続(次の相続)が比較的近い時期に続くことも想定されます。近い間隔で相続が続いた場合には相次相続控除という税額控除の制度もあるため、続けて相続が起きたときは税理士・税務署に確認する価値があります。
- 親が取得した財産は、将来その親自身の相続で、あらためて相続税の対象になりえます。いったん親世代へ財産が上がってから下りてくるという流れは、子や兄弟姉妹が相続する構成にはない、この構成に特有の動きです。
- 法定相続分は分け方の目安であって義務ではありません。遺産分割協議で全員が合意すれば別の割合でも分けられますが、その場合はこの表の前提(配偶者が3分の2を取得)から離れるため、目安の金額も実際とずれていきます。
兄弟姉妹の表と見比べるとどうなるか
同じ「子がいない夫婦」でも、親が健在か否かで相続の形が変わります。ふたつの表を突き合わせると、直感に反する並びが見えてきます。
- たとえば遺産1億円では、この表の「配偶者+親2人」が2,222,133円であるのに対し、兄弟姉妹の表の「配偶者+兄弟2人」は2,130,000円と、2割加算があるはずの兄弟側のほうが低い並びになっています。
- これは、配偶者の法定相続分が親と並ぶときは3分の2、兄弟姉妹と並ぶときは4分の3と異なり、後者では税額軽減の効く範囲がより広いためです。加算の有無だけでなく、取り分の割合の違いが合計額を左右します。
- どちらの構成になるかは選べるものではありませんが、「2割加算がある=必ず重くなる」という思い込みで表を読み違えないための、確認用の比較として挙げています。
よくある質問
子供がいない夫婦の相続税はどうなりますか?
子がいない場合は父母(直系尊属)が第2順位で相続人になります。配偶者と親が相続人のとき配偶者の法定相続分は3分の2で、配偶者の税額軽減が大きく働きます。遺産1億円・配偶者と親2人なら相続税は約2,222,133円が目安です。
配偶者と親が相続人のときの法定相続分は?
配偶者が3分の2、親(直系尊属)が全体で3分の1です。親が2人いる場合は3分の1を2人で分けます。配偶者は法定相続分まで税額軽減が使えるため、子がいる場合より配偶者の取得割合が大きくなります(国税庁 No.4158)。
親には相続税の2割加算がありますか?
いいえ。2割加算(税額の20%上乗せ)は、配偶者・子・父母(一親等の血族)以外の人が対象です。父母(直系尊属)は一親等の血族なので2割加算の対象外です。対象になるのは主に兄弟姉妹です(国税庁 No.4157)。
自分の条件で計算するには
相続税計算シミュレーションに遺産総額と相続人を入れると、基礎控除・課税遺産総額・相続税の総額まで内訳つきで確認できます。死亡保険金の非課税枠も反映できます。