相続税・贈与税が「いくらか」概算でわかる

最終更新: (国税庁No.4602ほかに基づく)

相続税の土地の評価とは?——路線価方式・倍率方式と路線価の調べ方

相続税で土地を評価する方法は2つ。路線価が定められた地域は「路線価方式(路線価×補正率×面積)」、それ以外の地域は「倍率方式(固定資産税評価額×倍率)」で計算します(国税庁No.4602)。路線価は道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額で、地価公示価格などの8割程度が目安です。ここでは評価のしくみと、国税庁で路線価を調べる手順を、一次情報にもとづいて整理します。

土地の評価は「路線価方式」と「倍率方式」の2つ

相続税や贈与税では、土地は原則として「時価」で評価することとされています。とはいえ自分で時価を把握するのは難しいため、国税庁が毎年、評価の基準となる路線価評価倍率を定めて公開しています。土地の評価方法は、その土地がどの地域にあるかで次の2つに分かれます(国税庁No.4602)。

評価方法対象計算の考え方
路線価方式路線価が定められている地域(路線価地域)路線価 × 奥行価格補正率などの各種補正率 × 面積
倍率方式路線価が定められていない地域(倍率地域)固定資産税評価額 × 一定の倍率

路線価方式では、国税庁も具体例として「正面路線価(300千円)× 奥行価格補正率(1.00)× 面積(180㎡)」のように計算する旨を示しています。倍率方式は、市区町村が定める固定資産税評価額に、国税庁が定めた倍率を掛けるだけのシンプルな計算です。

出典: 国税庁 No.4602「土地家屋の評価」。取得日2026-07-22。

路線価とは?——道路に面する土地の1㎡あたりの価額

路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことです(国税庁No.4602)。路線価図では千円単位で表示され、たとえば「300」とあれば1㎡あたり30万円を意味します。

路線価は、その年の1月1日を評価時点とし、1年間の地価変動などを考慮して、地価公示価格等を基にした価格の80%程度を目途に定められています(国税庁「路線価等について」)。つまり、実際の取引価格(実勢価格)や公示地価そのものよりも、やや低めに設定されているのが一般的です。相続で使う路線価は、原則として相続開始の年(被相続人が亡くなった年)の路線価を用います。

出典: 国税庁 No.4602、国税庁「令和8年分の路線価等について」(1月1日評価時点・公示地価等の80%程度の目途)。取得日2026-07-22。

路線価の調べ方——国税庁「財産評価基準書」の手順

路線価図と評価倍率表は、国税庁ホームページの「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」(rosenka.nta.go.jp)で誰でも無料で閲覧できます。おおまかな手順は次のとおりです。

  1. 年分を選ぶ — トップページで、調べたい年分(相続開始の年)を選びます。過去数年分がさかのぼって公開されています。
  2. 都道府県を選ぶ — 全国地図または一覧から、土地のある都道府県を選択します。
  3. 「路線価図」を選ぶ — 財産評価基準書の項目から「路線価図」を選びます(倍率地域の場合は「評価倍率表」を選びます)。
  4. 市区町村・地域を絞る — 市区町村、地区へと進み、目的の土地がある地図(路線価図)を表示します。
  5. 路線価を読み取る — 土地が面している道路に記された数字(千円単位)が、その道路の路線価です。倍率地域の場合は評価倍率表で、その地域・地目の倍率を確認します。

路線価図の見方(数字やアルファベットの意味)は、同サイトの「使用方法の説明」でも解説されています。

出典: 国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」rosenka.nta.go.jp(調べ方の手順)、国税庁 No.4602(路線価図・評価倍率表の閲覧先)。取得日2026-07-22。

評価額が下がることも——主な補正(名称のみ)

路線価方式では、路線価に土地の形状などに応じた各種の補正率を掛けて評価額を調整します。整形されていない土地や使いにくい土地は、評価額が下がることがあります。主な補正には次のようなものがあります(いずれも財産評価の専門的な計算が必要です)。

奥行価格補正 / 側方路線影響加算・二方路線影響加算(角地など)/ 間口狭小補正 / 奥行長大補正 / 不整形地補正 / がけ地補正 / 地積規模の大きな宅地の評価 など

当サイトでは、これらの補正計算や、土地ごとの正確な評価額の算定は行いません。補正は土地の形状・立地・利用状況によって適用の可否や率が変わり、専門的な判断を伴うためです。評価額を確定させる際は、税理士にご確認ください。

補正の名称は財産評価の一般的な区分です。適用の可否・率は個別の土地により異なります。出典: 国税庁 No.4602(各種補正率で補正する旨)。取得日2026-07-22。

評価額がわかったら——小規模宅地等の特例で減額できることも

土地の評価額(路線価×補正×面積、または倍率方式)の目安がわかったら、次に確認したいのが小規模宅地等の特例です。被相続人が住んでいた・事業に使っていた土地なら、一定の面積まで評価額を最大80%減額できる場合があります。減額後の評価額の目安は、下の計算機で確認できます(評価額はご自身で入力する方式です)。

🧮 調べた評価額から減額後の金額を計算する → 小規模宅地等の特例 減額計算

一次情報(出典)

出典(取得日 2026年7月22日):

よくある質問

相続税の土地の評価はどうやって計算しますか?
土地の相続税評価には、路線価方式と倍率方式の2つがあります。路線価が定められている地域(路線価地域)の土地は路線価方式で評価し、路線価をその土地の形状等に応じた奥行価格補正率などの各種補正率で補正した後に、面積を乗じて計算します。路線価が定められていない地域(倍率地域)の土地は倍率方式で評価し、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します(国税庁No.4602)。
路線価とは何ですか?
路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことです(国税庁No.4602)。相続税や贈与税で土地を評価する際の基準になります。路線価等は、その年の1月1日を評価時点とし、地価公示価格等を基にした価格の80%程度を目途に定められています(国税庁「路線価等について」)。
路線価はどこで調べられますか?
路線価図および評価倍率表は、国税庁ホームページの「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で閲覧できます。トップページで年分を選び、都道府県を選択し、路線価図または評価倍率表を選んで、目的の地域の地図から土地が面する道路の路線価(千円単位)を読み取ります。倍率地域の場合は評価倍率表で倍率を確認します。
路線価から自分で正確な評価額を出せますか?
路線価図で1平方メートル当たりの価額はわかりますが、正確な評価額を出すには、奥行・間口・不整形・角地といった土地の形状に応じた各種の補正が必要で、専門的な判断を伴います。当サイトではこれらの補正計算や個別の評価額の算定は行いません。土地の評価額を確定させる際は、税理士にご確認ください。

土地の評価額の目安がわかったら小規模宅地等の特例 減額計算で減額後の金額を確認できます。特例の仕組みは小規模宅地等の特例とは、適用要件は小規模宅地等の特例の要件で解説しています。相続税全体の目安は相続税計算シミュレーター、誰に相談すればよいか迷うときは相続は誰に相談する?でどうぞ。

本ページは、国税庁の公表資料にもとづく、相続税の土地の評価に関する一般的な情報の解説です。実際の土地の評価額は、路線価に対する各種の補正(奥行・間口・不整形・角地など)や、土地の形状・立地・利用状況によって変わり、専門的な判断を伴います。本サイトは補正計算や個別の土地の評価額の算定、個別の税務相談・税務代理・申告書の作成には対応していません。土地の評価額を確定させる際は、相続に強い税理士または所轄の税務署にご確認ください。
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