相続税・贈与税が「いくらか」概算でわかる

最終更新: (国税庁の令和7年4月1日現在法令等に基づく)

一次相続で配偶者は何割相続すべきか — 取得割合別の相続税で比較

一次相続で配偶者が何割相続すべきかに、すべての家庭に当てはまる正解はありません。ただし、税額だけを単純に比較すると、配偶者が法定相続分(2分の1)より少なめに取得したほうが、一次・二次の合計が小さくなる傾向があります。配偶者が取得した財産は二次相続に持ち越され、二次相続では基礎控除が小さく配偶者の税額軽減も使えないためです。とはいえ、取得を減らしすぎると一次相続で子の負担が増えるため「合計が最小になる割合」が生まれます。この記事では、父の遺産1億6,000万円・子2人のケースで取得割合を0%〜100%まで動かした合計税額を、当サイト計算エンジンの実算値で比べます。ここで示すのは税額のみの計算上の目安であり、有利・不利の断定ではありません。

取得割合別の合計税額①:母の固有財産なし(父1億6,000万円・子2人)

母(配偶者)が一次相続で何割取得するかを変えたときの、一次相続・二次相続・その合計の相続税です。母はもともと財産を持っていないと仮定します。

母の取得割合一次相続二次相続一次+二次 合計
0%(取得しない)17,200,000円0円17,200,000円
25%12,900,000円0円12,900,000円
50%(法定相続分)8,600,000円4,700,000円13,300,000円
75%4,300,000円11,600,000円15,900,000円
100%(全部相続)0円21,400,000円21,400,000円

母が取得を増やすほど一次相続は下がりますが、二次相続が跳ね上がります。税額だけの計算上は、母の取得割合が35%前後で合計が最小(約12,580,000円)、5%刻みの表では25%(12,900,000円)が最も少なく、法定相続分の50%(13,300,000円)や全部相続の100%(21,400,000円)より少なくなりました。金額は当サイトの検証済み計算エンジンで算出。

この表と「合計が最小」の値は、税額だけを単純に比較した計算上の目安です。実際にどの割合が有利かは、配偶者自身の財産・二次相続までの期間・生活資金・小規模宅地等の特例など多くの要素で変わり、税額が最小でも生活資金や納税資金の面で不利になることもあります。二次相続の課税価格には一次相続の納税額・その後の生活費・財産の変動・保険は反映していません。具体的な分割は税理士・税務署にご相談ください。

取得割合別の合計税額②:母に固有財産がある場合(父1億6,000万円・母固有4,000万円・子2人)

母自身にもともと4,000万円の財産がある場合、二次相続ではその4,000万円も合算されます。母が取得を控えめにする効果が、①より大きく出ます。

母の取得割合一次相続二次相続一次+二次 合計
0%(取得しない)17,200,000円0円17,200,000円
25%12,900,000円4,700,000円17,600,000円
50%(法定相続分)8,600,000円11,600,000円20,200,000円
75%4,300,000円21,400,000円25,700,000円
100%(全部相続)0円33,400,000円33,400,000円

母の固有財産があるほど、母が多く取得したときの二次相続はさらに重くなります。税額だけの計算上は、母の取得割合が10%前後で合計が最小(約16,880,000円)になりました。母が全部相続する100%(33,400,000円)とは倍近い差です。金額は当サイトの検証済み計算エンジンで算出。

この表と「合計が最小」の値は、税額だけを単純に比較した計算上の目安です。実際にどの割合が有利かは、配偶者自身の財産・二次相続までの期間・生活資金・小規模宅地等の特例など多くの要素で変わります。二次相続の課税価格には一次相続の納税額・その後の生活費・財産の変動・保険は反映していません。具体的な分割は税理士・税務署にご相談ください。

「1億6,000万円まで一次相続0円」が二次相続で跳ね返る仕組み

配偶者の税額軽減では、配偶者が取得した財産のうち1億6,000万円(または配偶者の法定相続分相当額)のいずれか多い金額まで相続税がかかりません(国税庁 No.4158)。多くの家庭ではこの1億6,000万円が下限(フロア)として働きます。

そのため、父の遺産が1億6,000万円で母が全部相続すると、取得額はちょうど枠内で一次相続の配偶者分は0円になります。ところが、その1億6,000万円はまるごと母の手元に残り、二次相続で子が相続することになります。上の表①のとおり、二次相続では21,400,000円かかり、一次を0円にした意味が合計では薄れてしまいます。

また、配偶者の取得額が1億6,000万円を超えると、超えた分には一次相続でも配偶者に相続税がかかります。たとえば父の遺産が2億円で母が全部相続すると、1億6,000万円を超える部分に対して一次相続で母に5,400,000円の相続税が生じます(当サイト計算エンジンによる概算)。「配偶者はいくらでも非課税」ではない点に注意が必要です。

自分の遺産総額・家族構成・母の固有財産を入れて割合を動かした試算は二次相続シミュレーションでできます。

一次情報(国税庁)

出典(取得日 2026年7月22日 / 令和7年4月1日現在法令等):

よくある質問

一次相続で配偶者は何割相続するのが有利ですか?

万人共通の正解はありません。税額だけを単純に比較すると、配偶者が法定相続分(2分の1)より少なめに取得したほうが一次・二次の合計が小さくなる傾向があります。父の遺産1億6,000万円・子2人・母の固有財産なしの試算では、母の取得割合が25%のとき合計12,900,000円で、法定相続分の50%(13,300,000円)や全部相続の100%(21,400,000円)より少なくなりました。ただし実際の有利・不利は財産構成や生活資金など多くの要素で変わるため、必ず税理士にご相談ください。

配偶者が全部相続すると一次相続は0円になりますか?

配偶者の取得額が1億6,000万円以下であれば、配偶者の税額軽減で一次相続の配偶者分は0円になります(国税庁 No.4158)。父の遺産1億6,000万円を母が全部相続する場合は取得額がちょうど枠内のため一次は0円ですが、その1億6,000万円は二次相続で子が相続することになり、二次相続で21,400,000円かかります。取得額が1億6,000万円を超えると、超えた分には一次相続でも配偶者に相続税がかかります。

なぜ配偶者が取得を減らすと合計税額が下がるのですか?

配偶者が一次相続で取得した財産は二次相続に持ち越され、二次相続では基礎控除が小さく配偶者の税額軽減も使えないため重く課税されます。配偶者の取得を減らせば二次相続に回る財産が減り、合計の負担が下がりやすくなります。ただし配偶者の取得を減らしすぎると一次相続で子の負担が増えるため、一次と二次のバランスで最も合計が小さくなる割合が生まれます。

配偶者に自分の財産がある場合はどう考えればよいですか?

配偶者自身の財産が多いほど、二次相続の課税価格が大きくなるため、配偶者は一次相続で取得を控えめにしたほうが合計が小さくなりやすい傾向があります。父の遺産1億6,000万円・母の固有財産4,000万円・子2人の試算では、税額だけで見ると母の取得割合が10%前後で合計が最小(約16,880,000円)になりました。金額は目安であり、具体的な判断は税理士にご相談ください。

二次相続の基本は二次相続とはで、配偶者控除で一次相続を0円にすると損をする仕組みは配偶者控除のデメリットで解説しています。配偶者の税額軽減そのものは配偶者の税額軽減とはをどうぞ。自分のケースで割合を動かした試算は二次相続シミュレーション、遺産総額別の一覧は二次相続の早見表、一次相続の目安は相続税計算シミュレーターで計算できます。

本ページの金額は、国税庁の相続税・贈与税の速算表(令和7年4月1日現在法令等)に基づく概算・目安です。実際の税額は財産の評価・遺産分割・各種控除の適用状況により変わります。本サイトは一般的な制度の解説と概算計算であり、個別の税務相談・税務代理・申告書の作成には対応していません。具体的な判断は税理士・税務署にご相談ください。
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