相続税・贈与税が「いくらか」概算でわかる

最終更新: (申告手続きは国税庁の令和8年4月1日現在法令等を確認)

配偶者控除は申告不要?相続税の申告義務

配偶者の税額軽減(配偶者控除)を使って相続税が0円になる場合も、申告が必要です。一方、軽減を使う前から課税価格の合計額が基礎控除以下なら、申告は原則不要です。遺産がまだ分かれていない場合は、期限内の申告・納税と、分割後の更正の請求を分けて確認します。

「申告不要」と「税額0円でも申告必要」の違い

このページでは、基礎控除以下の場合と、配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を使う場合を比較します。

状況相続税申告
課税価格の合計額が基礎控除以下かからない原則不要
基礎控除超・配偶者の税額軽減で0円0円必要
基礎控除超・小規模宅地等の特例で0円0円必要

表の基礎控除の判定は、小規模宅地等の特例による減額前の金額で行います。配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例で税額が0円になる場合は、所定の申告が必要です。ほかの税額控除の扱いまで一律に示した表ではありません。

申告が不要になる境界(基礎控除)

小規模宅地等の特例を使う前の課税価格の合計額が、基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人の数」以下なら、相続税の申告は原則不要です(国税庁 No.4152・4205)。この合計額には、相続・遺贈で取得した財産に加え、相続時精算課税や暦年課税の加算対象となる贈与、債務・葬式費用、非課税財産などが関係します。預金残高だけ、または配偶者の取得額だけで判定するものではありません。人数別の基礎控除額は次のとおりです。

法定相続人基礎控除額
1人36,000,000円
2人42,000,000円
3人48,000,000円
4人54,000,000円

課税価格の合計額がこの金額を超え、配偶者の税額軽減で納付が0円になる場合も申告が必要です。表の金額は当サイトの計算エンジンで算出しています。財産評価や贈与の加算範囲が不明な場合は、申告要否とあわせて税務署・税理士に確認してください。

なぜ軽減には申告が必要なのか

配偶者の税額軽減は、遺産分割や遺贈によって配偶者が実際に取得した財産をもとに計算します。軽減の明細と、戸籍や取得した財産を示す所定の書類を申告書などに添えて提出します(国税庁 No.4158)。遺言で取得した場合まで、一律に遺産分割協議書が必要という意味ではありません。たとえば遺産1億2,000万円・配偶者と子2人のケースでは、軽減前の相続税の総額は9,600,000円、配偶者が法定相続分を取得して軽減を適用しても子2人分の4,800,000円が残りますが、配偶者が多く取得して納付が0円になる場合でも、軽減を使う以上は申告が必要です。

未分割のときは、申告と分割後の手続きを分ける

  1. まず申告・納税期限を確認します。申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。申告・納税が必要な場合、未分割でも期限は延びません。未分割の財産は民法の相続分などで取得したものとして計算し、その財産には配偶者の税額軽減を使わずに申告・納税します。
  2. 分割後に軽減を受けるための書類を確認します。期限までに分割できない財産について、後から軽減を受ける予定の場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告書に添えます。原則として、申告期限から3年以内に分割することが必要です。この見込書は、申告や納税の期限を延ばすものではありません。
  3. 分割が決まったら、税額と請求の手続きを確認します。実際の取得額で計算し直し、納めすぎた税額の減額を求める場合は「更正の請求」を行います。分割が成立しただけで自動的に還付されるわけではありません。国税庁No.4158は、分割が行われた日の翌日から4か月以内の手続きが必要と案内しています。逆に税額が増える場合は、修正申告が必要になることがあります。

更正の請求には、請求理由により異なる期間が定められています。起算日や適用する規定は、下記の国税庁の手続案内と税務署・税理士で確認してください。また、やむを得ない事情で申告期限から3年以内に分割できない場合は、税務署長の承認など別の要件があります。期限を過ぎてもよいという意味ではないため、分割の見通しが立たない段階で確認が必要です。

申告期限の基本は相続税の申告期限、更正の請求と例外の手続きは下記の一次情報をご覧ください。

相談前に整理しておく資料

申告が必要か、分割後にどの手続きを行うかを確認する際は、次の資料の有無と日付を整理しておくと、経緯を説明しやすくなります。提出書類の一律の一覧ではなく、相談の準備です。

国税庁No.4158では、戸籍などの書類に加え、遺言書の写し、遺産分割協議書の写しなど取得財産を示す書類を案内しています。協議書の写しを添付する場合は、相続人全員の印鑑証明書も必要とされています。事情に応じた必要書類は、国税庁の案内で確認してください。

相続税の適用判断・申告の依頼は税理士、制度や提出手続きの確認は税務署が相談先になります。分割の争いなど別の課題もある場合は、相続の相談先を課題別に整理した案内をご覧ください。当サイトに申告書や個人情報を送る必要はありません。

一次情報(国税庁)

出典(確認日 2026年10月8日 / タックスアンサーは令和8年4月1日現在法令等。手続案内は確認日に公開されている内容):

よくある質問

配偶者控除で相続税が0円なら申告は不要ですか?

配偶者の税額軽減を使って税額が0円になる場合は、申告が必要です。軽減の明細と所定の書類を提出して適用を受けます。軽減を使う前から課税価格の合計額が基礎控除以下である場合とは区別します。

申告が不要になるのはどんなときですか?

小規模宅地等の特例を使う前の課税価格の合計額が、基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人の数」以下なら、相続税の申告は原則不要です。判定には相続財産だけでなく、加算対象の生前贈与や債務なども関係します。配偶者の取得額だけでは判定しません。

相続税の申告期限はいつまでですか?

相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。申告・納税が必要な場合、遺産が未分割でも期限は延びません。未分割の財産には配偶者の税額軽減を使わずに申告し、分割後に必要な手続きを行います。

申告後に遺産分割が決まったら、軽減は自動で受けられますか?

自動ではありません。申告期限後3年以内の分割見込書を添えて申告し、申告期限から3年以内に分割した場合などは、分割後の税額を計算し直します。納めすぎた税額の減額を求める手続きは更正の請求です。国税庁No.4158では、分割が行われた日の翌日から4か月以内に手続きが必要と案内されています。請求理由による期限の違いは税務署・税理士へ確認してください。

配偶者控除の基本は配偶者の税額軽減とは、税額が0円になるケースは配偶者が全て相続したらで解説しています。基礎控除の考え方は相続税はいくらからをどうぞ。

本ページの金額は、国税庁の相続税・贈与税の速算表(令和7年4月1日現在法令等)に基づく概算・目安です。実際の税額は財産の評価・遺産分割・各種控除の適用状況により変わります。本サイトは一般的な制度の解説と概算計算であり、個別の税務相談・税務代理・申告書の作成には対応していません。具体的な判断は税理士・税務署にご相談ください。
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